大吾凱旋「故郷」に錦
市内パレードに3000人/西里通り
世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者で宮古工業高卒の比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツジム=が11日、「第二の故郷」宮古島市に凱旋した。パレード会場の西里通りには約3000人(主催者発表)が訪れ、比嘉の快挙を祝して世界王座奪取の喜びを分かち合った。市民報告会や祝賀会も催され、いずれの会場も「大吾」一色だった。
比嘉は午後1時すぎに到着した。ベルトを肩に掛けて登場したチャンピオンに空港内は一時騒然。市民や観光客が続々と集まって比嘉や具志堅用高会長の勇姿にカメラを向けた。
歓迎のセレモニーが開かれ、主催者で所属ジム宮古島応援会の下地恵茂会長があいさつ。「世界チャンピオン獲得は、小さな宮古からでも夢を持って努力すれば実現できるということを証明してくれた」と感慨深げに語った。その上で「ありがとう。これからも、私たちの希望の星として輝き続けてほしい」と一層の活躍に期待を込めた。
比嘉は「宮古島は第二の故郷。ぼくのボクシングの原点はここにある」と話して関係者に感謝。具志堅会長は「世界チャンピオンを連れて宮古島に帰ってくることができた」と喜んだ。
パレードは午後4時から行われた。比嘉と具志堅会長が乗ったオープンカーを白バイが先導し、後方には音楽バンドグループを従えて行進した。
西里通りは、市民や観光客の熱気に包まれた。「大吾おめでとう!」の声が飛び交い、握手を求める無数の手が歩道から伸びた。
比嘉と具志堅会長は、握手や記念撮影に快く応じて市民とふれ合い、「ここまで歓迎してくれるなんて予想外だった」と驚いた。
パレードを終えると市役所平良庁舎で市民への報告会を開いた。野木丈司トレーナーとミット打ちを披露した比嘉は「皆さんの応援のおかげで世界を取ることができた。こんなに暑い日なのに、応援に来てくれてありがとう。みんなが憧れる世界チャンピオンになれるように頑張りたい」と感謝と決意を語った。
「パレードは本当に感動した」と振り返る具志堅会長は、「チャンピオンになるのは大変だが防衛するのはもっと大変。しかし大吾は日本の歴史に残るボクサーになれる。年内にはもう1回やる」と宣言した。
野木トレーナーは「ほとんどのボクサーがチャンピオンを到着点にするが、大吾はチャンピオンがスタートと言える特別な男だ」とたたえ、「世界に名を轟かせたい」と語った。
花束を贈った平良中2年の吉永涼介君は「すごいオーラだった。ぼくもボクシングで世界チャンピオンになるのが夢。宮古から2人目の王者になりたい」と刺激を受けた様子だった。
平良昴さん(27)は、家族5人でパレードと報告会に参加した。「本当にすごいパレードだった」と興奮気味。「毎年宮古島に来てもらえるとうれしい。具志堅さんの防衛記録を抜いてほしい」と期待した。